auの場合ーピタッとプランとは?
TVCMが印象的なau。CMで盛んに連呼されている項目「ピタッとプラン」それに半額というキーワード、それについて果たして消費者の負担は軽減されたのであろうか?
ピタッとプランは従量制
昔まだ定額が無かった頃、1パケット幾らという計算でインターネット通信料が決められていた。これは自分が使用した分だけ支払うというごく自然な方法で、ほとんどの商品はこの方式が取られている。(電気代や水道代も使った人が多くお金を払うのと一緒だ)
ところが、このパケット制は恐ろしく単価が高くおいそれと使うことが出来なかったし、まだ回線が遅い頃なら使っても知れていた事から、このような従量制が成り立っていた。
回線速度が上がり、ガラケーからスマホへ移行する過程で、フラットという考え方が登場する。これは定額制で、使っても使わなくても定額というものだ。これもまだ通信量が過渡化するまえに主流だった方法であり、言い換えるなら飲食店の食べ放題みたいなものだ、食べれるなら好きなだけ定額で食べていいという事と同じで、いくらパケット使っても一律に同じ料金というわけだ。
飲食店の食べ放題が、人間の食べる量に限界があるように、当時のパケットは3Gであり、使おうにもべらぼうに多くを使えないので、通信会社はタカを括ってフラットというプランを設定したのだ。
ところが、通信速度は速さを増し、4Gになって来ると話は変わってきた。短時間でのパケット消費量が多くなり、一月に使える量が倍増したのだ。
つまり、食べ放題の例でいくと、恐ろしく大食いの人が大量に押しかけたみたいになってしまったのだ。
携帯会社はフラットを改め、フラットという名前なのに上限を決めた。これが現状のフラットの正体であり、食べ放題と偽って、ある程度食べたら「もうだめです」と皿を取り上げた状態なのだ。
フラットは寡占状態のか大手3社は一律7Gを設定し(ドコモは廃止)通話のプランと組み合わせる事で利用できた。後で述べるが、これを含めた定額制を旧プランと便宜上言い、新しく親切されたピタットプランとフラットプランの2種類を、新しいプラン、新プランと呼ぶ事にする。
旧ブランは大きく分けると3種類
LTEプランと呼ばれる、au電話間が有利になるプランと、LTEフラットという7Gまで制限が掛からないプランの組み合わせで、これが6934円(税抜き)
昔からあるプランだ。
スーパーカケホとカケホ
スパーカケホは5分内の通話が(他キャリアであっても)無料になるプランで、それにデーターを組み合わせる。組み合わせは5種類まであり、データー1G(後述)から30G
まで組み合わせる事が出来る。カケホは24時間通話が無料になるプランで、通話が多い方用であり、スーパーカケホより1000円高い価格設定であり、こちらもデーター契約を組み合わせて利用するが、若干組み合わせ内容が違う。
これらの3プランは定額という事と、毎月割という24回の割引が受けられるプランで、利用料金は高めだが、端末代金が安いと言える。
スーパーカケホの組み合わせ。
- 1G 4900円
- 3G 6200円
- 5G 7000円
- 20G 8000円
- 30G 10000円
カケホの組み合わせ
- 2G 6500円
- 3G 7200円
- 5G 8000円
- 20G 9000円
- 30G 11000円
となっている。(数字は税抜き、基本料込です)
これに提携の固定回線を加入していれば、料金に応じて指定額が割り引かれる。
割引率は可変式で、最初の2年は優遇されている。赤い数字は2年後の割引で、auではこの割引をスマートバリューと呼んでいる。2年後は一律934円の割引になる。
毎月割
高額な携帯電話を購入する際、通信費から引かれる割引、ユーザーはこの割引を受ける事で、2年間の通信費を安く抑える事が出来るが、その代書としてauが用意したauしか使用できないsimロックされた端末を使う事となる。
上記のプランはこの毎月割が入るのが一番の特徴で、これは後述するピタットプランやフラットプランにはつかない大きなアドバンテージとなるので覚えておこう。
ピタットプラン
新しく新設されたプランは、使うだけのデーターに応じて可変するのが特徴である。
つまり、少なく使うと安くなり、多く使うと高くなる。
ピタットプランは、まず通話のプランを選択する。
それは
- シンプルと呼ばれるどこに掛けても通話料が課金されるプラン
- スーパーカケホと呼ばれる5分間の通話なら通話料が掛からないプラン
- カケホと呼ばれる24時間通話が無料のプラン
このどれかを選択し、あとはピタットプランを選択するだけだ。
ここで勘違いし易いが、ピタットプランは使えば、自動的に次の段階に上がるので、使いすぎれば最大20Gまでのプランが適応される事となる。Myauなどのデーター量確認プランで都度確認する必要がある。
- スーパーカケホ
- 1Gまでの利用なら 1980円(初年度)2980円 スマートバリュー含む
- 2Gまでの利用なら 2980円(初年度)3980円 スマートバリュー含む
- 3Gまでの利用なら 3480円(初年度)4480円 スマートバリュー含む
- 5Gまでの利用なら 4480円(初年度)5480円 スマートバリュー含む
- 5G以上の利用及び20Gまで利用なら 5480円(初年度)6480円 スマートバリュー含む
全て税抜き
- カケホ
- 1Gまでの利用なら 2980円(初年度)3980円 スマートバリュー含む
- 2Gまでの利用なら 3980円(初年度)4980円 スマートバリュー含む
- 3Gまでの利用なら 4480円(初年度)5480円 スマートバリュー含む
- 5Gまでの利用なら 5480円(初年度)6480円 スマートバリュー含む
- 5G以上の利用及び20Gまで利用なら 6480円(初年度)7480円 スマートバリュー含む
全て税抜き
- シンプル
- 1Gまでの利用なら 1980円(初年度)2980円 スマートバリュー含む
- 2Gまでの利用なら 2480円(初年度)3480円 スマートバリュー含む
- 3Gまでの利用なら 2980円(初年度)3980円 スマートバリュー含む
- 5Gまでの利用なら 3980円(初年度)4980円 スマートバリュー含む
- 5G以上の利用及び20Gまで利用なら 4980円(初年度)5980円 スマートバリュー含む
全て税抜き
自動的に料金が上がるにしても、利用料金が安価なのにお気づきだろうか?
例えば、スーパーカケホ+3Gプラン+スマートバリューなら5266円だが
ピタットのスーパカケホ3Gなら、全く同一で3480円(初年度)だ。
新プランの方が有利に見えるが、端末を加えるとその差は微妙になって来る。
48回払いとアップグレード
48回払いとなると、4年という長いスパンとなる。多くの人はこのサイクルは長いと感じるだろう。auが用意したのは、アップグレードプログラムという方式だが、このシステムには少し注意が必要となる。
アップグレードプログラムは無料では無く、390円の利用料が掛かる。これを24ヶ月払い込む事によって、25ヶ月目で今の端末を下取りする事によって、残りの24ヶ月をチャラにしてくれるというプログラムだ。
この方式が盛んにCMで言われている「半額」という意味だが、今の端末を返却しなければならず、かつ新しく機種変更した端末は再びアップグレードプログラムを加入しなければならず、考え方にもよるが一向にクレジットは減らない事になる。
勿論2年毎買い替えていたユーザーは元々、分割が終わると新しい分割を組んでいるので、それだったら同じこととも言えるが、この残高クレジットという方式は、auを辞めることが出来ないばかりか、なんらかで未納になってしまったら、即刻信用情報が傷つく恐れがあるもので、支払いに無頓着な人が安易な気持ちで未納した場合にはかなりのペナルティになるので注意が必要だ。
また、利用料の390円も曲者だ。これは24ヶ月払い込むと9360円になる計算で、仮にiPhone8の64Gバイトを契約したとすると、iPhone8 64Gの値段は91440円なので、auの謳い文句で言えば(半額なら)45720円の免責を受けられる筈だが、実際は9360円払い込んでいるので、半額ではなく36360円という事になる 。
それでも2年というスパンを考えたら、新プランはお得となるが、それは25ヶ月目で必ず交換すればの話であり、36ヶ月使ったり、あるいは壊してしまった場合*1はその限りではない。
具体的な維持費
ここでは具体的な維持費を記載しておく。分かりやすいように全て
- 機種はiPhone8 64G
- 通話プランは、スーパーカケホ
- データーは3G
- スマートバリュー付き
公平にするためオプションはなし、旧プランはスーパーカケホ+データー定額3。新プランはピタットプランで3G利用したと仮定して算出している。
旧プランの場合
- 端末代金:91440 分割24回払い:3810円
- 毎月割 :-2670 (機種変更の場合)
- 料金プラン:6372
- インターネット接続料:324
- スマートバリュー:-1008
合計6828円(税込み)
新プランの場合
- 端末代金:91440 分割48回払い:1905
- 毎月割:なし
- 料金プラン:5594
- インターネット接続料:324
- ビックニュースキャペーン:-1080
- スマートバリュー:-1080
合計5663円(税込み)
1年目の差額
旧:6828x12=81936(12ヶ月の維持費)
新:5663x12=67956(12ヶ月の維持費)
差 新プランが13989円安い
2年目の差額
旧:6828x12=81936(12ヶ月の維持費)
新:6743x12=80916(12ヶ月の維持費)
差 新プランが1020円安い
*新プランはビックニュースキャンペーン終了で1080円高くなる
3年目の差額
旧:5688x12=68256(12ヶ月の維持費)
新:6743x12=80916(12ヶ月の維持費)
差 旧プランが12660円安い
*旧プランは端末が払い終わったので安い
4年目の差額
新旧ともに3年目と同じ
差 旧プランが12660円安い
5年目の差額
旧:5688x12=68256(12ヶ月の維持費)
新:4838x12=58056(12ヶ月の維持費)
差:新プランが10200円安い
これで見ると、2年目まで新プランが安いのが分かる。だが、3年4年はそれが逆転して、5年目で再び新プランが安くなる。
つまり、新プランを選択する場合は2年でアップグレードするか、それとも5年以上壊れるまで使うのがお得という事になる。4年までだと、どちらを選んでも然程変わらず、auが言う「安くなった」というのは些か疑問があると言えよう。
番外篇 UQなら
UQはihone8がないので正確な比較が不可能だが、simフリーを金利0で24回払いで買ったとして考えて見る。
appleのサイトでiPhone8を見てみると、価格が85104円(税込み)なので均等に割ると3546円となる。先程と同条件だとプランMが相当なので、それで計算する
1年目
3546(機種代)+3218円 =6764 6764x12=81168円
差:
旧プランに対して768円安い
新プランに対して13212円高い
2年目
1080円UP なので 7844 7844x12 = 94128円
旧プランに対して12192円高い
新プランに対して13212円高い
3年目 4298x12 = 51576
旧プランに対して16680円安い
新プランに対して29340円安い
このように3年まで同一機種を使えば、auより必ず安価になる。また2年間は6G 使えるのもアドバンテージになるだろう。
最もUQなら、もっと安価な機種を買うべきだろうし、高い機種の場合だと機種の負担がでか過ぎて、あまり安価には感じないかも知れません。
*1:破損がある場合アップグレード出来ない